SUKOYAKA日記

メモ帳的存在。岡山在住。

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羅生門・鼻・芋粥 芥川龍之介

3つの作品とも人間の心理を描写することに重点が置かれている。そのおかげで、古典がいきいきとした躍動感をもった物語として生まれ変わっている。
芥川を好まない人は丹念な心理描写に対して、めんどくさいよ、ストーリー解釈のホームページまで作ってる人は暇だなと嘲笑しする。一方好きな人はいやぁ芥川さんは人間の本質をうまく描けてますなあ、それをあえて表面に出してない奥ゆかしさも素晴らしいですなあ、と感服する。このように読者を選ぶ作者である。だが、少し昔の作家という権威のために、評価が異常に高くなっている気がする。

芋粥はある侍の五位が主人公。背は小さく、たれ目で、赤鼻で、口ひげが薄く顔は細い。同僚からはいじめられているが、抵抗できない気の小さい男だ。
子供が道端で犬をいじめていたのを、一年分の勇気を振り絞って叱ってみる、「うるさい、赤鼻が」と言い返されれ、何も言えないダメ男。そのうえ、子供にではなく、いつもと違うことをした自分に腹が立つという、自分の内面でさえ、大きい顔をできない男。そんな救いようのないこの男にも夢があった。芋粥を腹いっぱいに食べるという夢。これまた小さいが、当時、芋粥は王様のごちそうとして並ぶほどのものだった。

彼の夢、彼の人生での唯一の希望がかなう日がやってくる。奉仕先の宴で、「芋粥を飽くまで食べたい」などとつぶやいていると、そこに来ていた上級武士がそれをかなえてくれるというのだ。
後日その武士に連れられ、芋粥を食べさせてもらうことになった。しかし食べきれないほどの芋粥を前にすると、食欲は失せ、一杯平らげるのもやっとという状態だった。その武士は遠慮せず食え、とすすめてくるがこれ以上食べるとはいてしまいそうになった。断ることが苦手な五位は、無理して食べようとしているところ、一匹の狐がきて、芋粥をものほしそうに見ている。そしてみんなの話題はそっちの方に移った。
五位は安心し、大量の芋粥を前にすることになる以前の自分を思い出す。周りにいじめられ、哀れな侍。しかし同時に、芋粥を飽くまで食べたいという欲望を大事に守っていた、幸福な男を・・。

●芋粥 感想
五位は夢にまでみた大量の芋粥の前で食欲を失う。そしてもう食べなくていいとなると、安堵を感じる。これはなぜか。
芋粥では人間の欲というものが描かれている。人間は様々な欲求を持っている。例えば、食欲、性欲、睡眠欲。はたまたコミュニケーション欲というものもあるらしい。欲求が満たされないうちは、狂ったように求める。しかし一度満たされてしまうと、それ以上受け付けなくなる。芋粥ではその人間の欲求の仕組みが滑稽に描かれている。

また芋粥では夢に対する皮肉な見方をしてる。
そして欲求を果たした後、五位は夢を持っていた自分を幸せに思う。人間は、到達しないものに無限の魅力を感じる。異性との関係は付き合うまでが一番楽しいし。車を買うためにお金をためている時間が一番楽しいのだ。


はじめは理解できなかった。最後鼻がまた大きくなって安堵したところ。ネット検索して解説を見つけた。
● 頭の方に答えがあります。
「専念に当来の浄土を渇仰すべき僧侶の身で、鼻の心配をするのが悪い
と思ったからばかりではない。それよりむしろ、自分で鼻を気にして
いると云う事を、人に知られるのが嫌だったからである。」

内道場供奉は、宮中の内道場に供奉する天皇の護持僧、つまり高僧です。
今迄、天皇に仕える徳の高い僧侶として、悟りを開いたような顔をして
とりすましていました。
普通、心の中は見えませんが、鼻を短くしてしまった為に、悟りを開く
どころか、まだ自分の容姿を気にしているような俗人であった事を、
白日にさらして、皆に知られてしまったのです。
皆は、容姿を笑っているのではなく、高僧でありながら容姿を気にしている、
その心を笑っているのです。●
でそれに対するコメントは
ご回答ありがとうございます。
なるほど、とても納得がいきました。
ただ、そう考えると最後に鼻が戻ったとしても、俗人であることがばれてしまったわけで、喜んでもしかたがない気がしますが。
最後の僧侶の心情についてどのように解釈されたか、ご教授いただけると助かります。●

納得できる回答だった。だが完璧ではない。
コメント内で最後僧侶がなぜほっとしたかというところが疑問としてまだ残るとある。私の解釈では僧侶は一時ほっとしただけであって、また時間がたてば話の頭のような状況に戻ってしまうという筋だと思う。結局問題は解決されていないのだ。そこがまた滑稽なのではないか。

羅生門はネット上でいくつも解説ページがあった。読んでいると中学の国語の授業を思い出した。授業では下人の行動はこういう解釈ができる、この場面でニキビはこういった意味を持つとかを一方的に教えられた。
読書を楽しむ、という点において、あまり良くない経験だったと今になって気付いた。
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  • 2012.07/28 15:20分 
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