SUKOYAKA日記

メモ帳的存在。岡山在住。

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外国人参政権と国籍 著者近藤敦 ?外国人参政権の実態と二重国籍の増大 

要点を書き出す。

p14
●出生による国籍取得には大きく分けて2通りのタイプがある。
生地主義を採用するアングロサクソン諸国では、【血統主義国の出身者の産んだ子供の場合、二重国籍を一般に認めている。】これに対して、血統主義を採るヨーロッパ大陸諸国では、二重国籍を回避することが問題になる。
●帰化による後天的な国籍取得に際しては、一般に従来の国籍の放棄が前提条件であると考えられた。
今日、「人はいずれかの国籍一個のみを有すべき」という国籍唯一の原則は国際法上のルールではない。
p15
●1994年においてOECD加盟23カ国のうち、「帰化」に際し、従来の国籍を放棄することを要件とせず、二重国籍を認める国が、14カ国あった。原則として認めない国は、ドイツ、オーストラリア、ルクセンブルクと少数派になっている。これに日本が加わる。ただし、ドイツとオーストリアの新しい国籍法は、二重国籍の余地を幾分ひろげた。
p20
●住民は外国人も含まれるか。地方自治法11条には「日本国民たる普通地方公共団体の住民は」とある。
地方自治法10条1項は、「住民の定義を「市町村の区域内に住所を有する者」としている。同2項により、外国人も「住民」として、自治体の「役務の提供をひとしくうける権利」と「負担を分担する義務」をもつ。また、地方自治法24条の2に基づく「住民訴訟」における住民とは、外国人も含まれる。これは、自治体の行財政を監視する広い意味での参政権の格子の一態様とされている。たしかに、住民は国民を前提にしない場合もある。しかし【同11条に「日本国民たる普通地方公共団体の住民は」、「選挙に参与する権利を有する」とある。同じように、公職選挙法9条、10条及び地方自治法18条、19条も、「日本公民」であることを地方参政権者の要件としている。】
●日本での世論と国会議員の意見
1994年に行われた世論調査では、定住外国人の地方選挙権に賛成する意見の方が反対する意見よりも多い。国家意義イのアンケートにおいても、回答者の89%が地方参政権を認めて良いとする(朝日新聞、1996)
●外国人への参政権の付与は、憲法改正か法律改正か
1995年2月28日に、最高裁は、憲法93条の『住民は』は『国民』以外の定住外国人を含まないとする。一方、「永住者等」の地方参政権を憲法が「禁止」していないこと旨を言明した。すねわち憲法を改正することなく、法律改正により可能な問題であることが明らかにされた。

●北欧での外国人参政権
もともと「北欧協力」の名の下に、デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデンといった北欧諸国が相互主義により参政権を認めあったのが互恵型の外交人参政権の出発点である。1973年に地方レベルでの参政権をお互いの国籍保有者に三年の居住を要件として認めあう指令を出している。これは1954年以来の北欧人の自由移動により浸透した経済圏が最大の要件とされる。
●EU(EC)の外国人参政権 p23
これも、移動と居住の自由が参政権の喪失と結びつくべきでないという同じ結果をもたらした。マーストリヒト条約では、連合加盟国の国民にその国籍国ではなく、居住国での地方議会の参政権を相互に認めている。
●互恵型は日本に適するか。→適さない。
近隣諸国間の経済共同体の急速な進展が見られない限り、互恵型は日本の参考とはなりにくい。

★各国の状況

●スウェーデンの場合。
外国人の参政権について、憲法ではなく、1967年の地方自治法に規定することになった。これにより、選挙の3年前に教会登録(現在では税務署が行う住民登録)をしている「スウェーデン国籍のないもの」も、県及び市町村の選挙権と被選挙権を持つ。
○国会の参政権は認められていない。理由は
?将来、国を去るであろう外国人には認められない。?国家の安全保障。外国人が国防に関する重要決定に参加することも、議員として秘密情報にアクセスすることも好ましくない。?二重投票。これは不公正であり、両国で議員に選ばれた場合執務が不可能である。
○血統主義国。国籍について。2重国籍は原則なし。しかし例外も。
帰化に際して、従来の国籍を放棄する原則がある。しかし、例外的に、
?難民の場合、?ギリシャ、トルコ、イランなどの外国政府が国籍放棄の証明を拒否する場合。?当該政府が2年間しかるべき回答をしない場合。?国籍放棄の許可に障害理由がある場合は認めている。★?この国で育った移民の子供は、21歳から23歳の間に届け出により国籍を取得する場合は、従来の国籍の放棄は不要とされる。
1986年の統計では、1年間に帰化したおよそ二万人の半分は、2重国籍を維持しているという。2000年に国籍法を改定して、同年7月から完全に重国籍を承認する。
○帰化要件
滞在要件は5年。北欧諸国出身の外国人は2年。

●デンマーク
○外国人参政権
1977年、北欧人は3年以上の定住で、地方参政権を持つ。1981年に地方選挙法が改正され、「三年以上定住しているもの」に県及び市町村の選挙権と被選挙権を認める。欧州統合を機に、1995年から1995年からEU市民と北欧市民には3年の居住要件を撤廃した。
○血統主義p28
重国籍は以下の7つの例外が認められる。
まーいろいろあるが?デンマークで育ち、21歳から23歳の届け出により、従来の国籍を失うことなく、デンマーク国籍を取得する成年者。は例外で重国籍が認められる
移民の2世が重国籍を認められやすいのが北欧諸国の特徴。
●ノルウェー
○外国人参政権
1978年、北欧人は3年以上の定住で、地方参政権を持つ。1985年には改正選挙法により、三年以上の定住で「ノルウェー国民でないもの」にも県及び市町村の選挙権と被選挙権が認められる。
○血統主義
スウェーデン、デンマーク同様、この国で育った移民の子供は、21歳から23歳の間に届け出により国籍を取得する場合は、従来の国籍の放棄は不要とされる。

●オランダ
○外国人参政権
1971年、改正憲法130条はは、オランダ人でない『住民』にも市町村議会の選挙権と被選挙権を保障する。2年後、選挙法及び地方自治法により、五年以上の定住要件が定められた。
○血統主義
しかし、移民の場合も、一方の親がオランダ人であったり、出生以来オランダに居住していれば、権利として国籍を取得できる。
●フィンランド
1976年の改正憲法51条3項により、他の北欧4国の国民の市町村行政への参加を保障した。1991年に改正された同条により、「外国人」の市町村行政への参加を保障した。
○血統主義
帰化の場合、重国籍回避が原則である。しかし、フィンランドでもスウェーデンのように、2002年をめどに重国籍を原則として認める国籍法の改正を【検討中】である。

●アイルランド
○外国人参政権 地方
1963年の選挙法により、外国人の市町村議会の選挙権を認め、6か月以上の「定住者」をその要件としている。被選挙権についても1974年の地方選挙法により認められるようになる。
※市町村議会に限定された理由
?国会が扱う事項は特殊な国家利益に関することが多く、国際問題について外国人は発言すべきではない。
★【県議会は国会の上院議員を間接的に選ぶ。そこで、国政に影響を与えることが懸念され、県議会の外国人参政権は認められなかったのである。】
○外国人参政権 国政
憲法上の互恵要件型。1984年に憲法16条が改正された同条により、『すべての国民および法律の定める構内に在留するその他の者』が下院議員の選挙権を持つことになる。翌年選挙法改正により「イギリス国民」にも選挙権が拡大された。
他のEC諸国がアイルランド国民に認めれば、国政レベルの選挙権を承認する積極性を持つ。ただし、被選挙権は認めず、憲法改正権との関係で国民投票にも外国人の参加を認めていない消極性がある。
また、大統領選挙もその職務と役割から国民に限定している。
○生地主義
生地主義の国では、一般に血統主義国出身の外国人がアイルランドで子供を産むと2重国籍になりうる。
★【北アイルランド問題。でアイルランドとイギリスとの参政権の互恵関係はどうなっているのかとても興味深い。時間があれば知らべて見たい。】

●スイス
○血統主義  2重国籍を認める傾向へ
従来帰化の難しい国とされてきたが、1992年から2重国籍を認める国籍法の改正がなされている。スイスに12年以上定住している外国人が出身国の国籍を失うことなく、帰化により、スイス国籍を取得できることになった。
○この傾向の理由
域内の自由移動を保障するEU諸国の国籍よりも、スイス国籍が魅力を失うことを恐れる功利主義と、複数のアイデンティティを認める多文化主義が共に働いたようである。

★●ニュージーランド
○外国人参政権 選挙権
国政レベルでの選挙権も永住者に認められている。ニュージーランドに1年以上、当該選挙区に1か月以上、継続的に生活していることを要件としている。
□なぜこの国は完全な市民となっていない永住者に国会の選挙権を拡大したのであろうか。
永住者は、ニュージーランドでの生活と労働を認められてきており、通常はコミュニティに統合するのは役立つと考えたからである。【理由が弱い気もする。?もっと深い理由を調べる必要があるのでは?】
○被選挙権
「国民」または「1975年8月22日に選挙人として登録されたもの」に限る。これはそれまで「イギリス臣民」にだけ参政権を認めてきたことを踏襲している。

○生地主義
もともと2重国籍は広く認められている。

●5 互恵型の参政権と国籍取得要件の緩和

●アイスランド
1982年に地方選挙法上、他の北欧四国の国民に対し門戸を開く。
○血統主義
アイスランド国民の母と外国人の父の間に生まれたこの場合と、出身国が許すならば、帰化したものは従来の国籍を維持することができるので、二重国籍が認められるというのがアイルランドの法務省からの回答。
また5年以上居住している移民の2世は、従来の国籍を放棄することなしに、21?23歳の間の届け出により、国籍を取得することができる。

●イギリス カナダとオーストラリアに準互恵型
1983年、国民代表法により、イギリスに住む英連邦市民とアイルランド共和国市民が、国及び地方の選挙権を有することになる。被選挙権も同様。
○生地主義
2重国籍を制限する規定はない。

●カナダ
選挙法を改正した1970年までは、「イギリス臣民」が国政レベルでの選挙権と被選挙権を持っていたが、その後カナダ国民に限定されている。
地方参政権は州によってまちまち。
○生地主義
血統主義により親から継承する国籍との二重国籍が認められる。★【帰化の場合、忠誠を誓うために、従来の忠誠を放棄することは要求されるが、緊急事態でない限り、従来の国籍放棄が要求されることがないのは、アメリカと同じである。】『緊急事態って戦争ってこと?』

●オーストラリア
○外国人参政権
1981年の連邦選挙法により、オーストラリア国民と1984年1月26日以前に選挙人登録した「イギリス臣民」に選挙権が限定されている。
○生地主義

●EU+α
欧州連合諸国は憲法または選挙法の改正により、EU加盟国の外国籍住民に地方議会の参政権を認める必要がある。ただし、マーストリヒト条約以前に、互恵要件型として分類された国としてポルトガル、スペインがある。
●ポルトガル
1967年憲法でもかつての植民地とのつながりを強調する。憲法15条第2項では、政治的権利及び技術的でない公職は,『ポルトガル国民』に限定するものの、同三項により、『ポルトガル語を話す諸国の国民』は国際協定による例外を認めている。さらに1989年に補充され打同4項により、さおう五主義の下に、『国内に住む外国人』の地方参政権を法律で認めることができるようになった。
※1997年からポルトガル語公用語国ブラジルとカボヴェルデは2年で地方選挙権、4年で被選挙権が認められるようになった。またノルウェー、アルゼンチン、ペルー、ウルグアイは3年の居住で地方選挙権、5年の居住で被選挙権を認めている。
○血統主義
帰化は6年の滞在が要件。移民労働者送り出し国として国益を考慮したポルトガルの国籍法は、外国籍、ポルトガル国籍の取得に際しても、2重国籍は障害理由となっていないのである。
ポルトガルで生まれ6年以上居住する移民の2世は、従来の国籍の放棄あるなしにかかわらず、届け出により国籍を取得する。
●スペイン
1989年に、3年の定住を要件とするオランダとの協定が結ばれ、その後、デンマーク、ノルウェー、スウェーデンと続く。しかし被選挙権は認められなかった。
その後マーストリヒト条約を考慮して、1992年に憲法13条2項を改正され、現在では相互主義により地方の『選挙権及び被選挙権』を認めるようになっている。
○血統主義
2世代生地主義。両親の一方と子供がスペインで生まれていれば、国籍を取得する制度が採用されている。憲法11条3項により、歴史的なつながりの大きいラテンアメリカ諸国との協定により、二重国籍をを認めることができる。

6 EUモデルと市長の選挙権
EU諸国はマ条約に基づいて、少なくとも市町村レベルの地方選挙権と被選挙権をEU市民に国民と同じ条件で認めなけらばならない。ただし、1994年のEC委員会の指令により、市長などの執行機関の被選挙権を国民に限定することが許される。そこで多くの加盟国は市長の被選挙権を国民に限っている。

●ベルギー
○外国人参政権
市町村議会の検挙権を外国人に与えるには、憲法改正の必要があるとされ、1998年に改正され、新たな8条3項はEU市民の参政権を定め、同4項はEU市民以外の外国人にも法律による拡大を認めている。(認められているだけ、で今はまだ拡大されていない。)市長は国民のみ。
○血統主義
しかし生地主義の要素も強く、この国で生まれたり、育った2世や3世は帰化が容易である。従来の国籍を放棄せず、2重国籍を保持することは可能である。

●フランス
1992年に補充された憲法88条3項により市町村選挙の選挙権ならびに被選挙権をフランスに居住する『EU市民のみ』に付与することができ、1998年に立法化した。
★【2000年にはEU市民以外への拡大を求める法改正の動きがあったが、実現していない。】
○国籍
重国籍を禁止する法規はなく、重国籍を批准していない国からの出身者は、帰化しても従来の国籍を放棄する必要はない。
●イタリア
1996年に選挙法が改正され、EU市民に地方参政権が認められたが、市長の被選挙権は除かれている。
○血統主義
1992年法改正により、二十国政kを大幅に認めるようになった。この国でうまれ、成人まで住んでいた外国人。およびイタリア人と結婚して、3年経つか、6か月以上この国に住んでいる者は、従来の国籍を保持したままイタリア国籍を取得できる。

●ギリシア
1997年の大統領令により、EU市民の地方選挙権と被選挙権が認められる。
○血統主義
二重国籍は認めている。
●ドイツ
1992年の憲法改正により、郡および市町村の選挙権と被選挙権は、相互主義に基づき、『EC加盟国の国籍保有者』にも認められるようになった。1995,1996年の州法改正によりEU市民の地方選挙権と被選挙権が認められた。バイエルン州とザクセン州では、地方執行機関について、国民に限定している。★【しかし、他の14州は市長の被選挙権もEU市民に認めている。】
○血統主義
しかし例外も多く(p46、47)『?権利としてドイツ国籍を獲得した東欧からのドイツ民族の帰還者は、従来の国籍を放棄する義務はない。そのほかはp47』
およそ120万人の2重国籍者がいる。1990年の外国人法により、長期の移民と若い外国人の帰化を容易にし、2重国籍者が若干の場合に容認されて以来、2重国籍者は増大し続けている。

●オーストリア
1994年に「他のEU 加盟国の国民」にも地方参政権を認める胸の憲法規定を補充した。
○血統主義
2重国籍は原則禁止で、帰化に際しては従来の国籍の放棄を義務付けている。ただし、特別に学問、経済、芸術、スポーツ分野で貢献したもの、また経済上その他の正当な理由があるものは、例外的に2重国籍が認められる。

★●ルクセンブルク 最多外国人比率(25,6%)のルクセンブルク
94年に憲法を改正し、9条3項により法律上「ルクセンブルク人以外」にも参政権の行使を認めた。選挙権が6年の居住、被選挙権が12年の居住といった、他国に比して長い年限を要件とする。これは外国人比率が高いこの国の特殊事情を反映する。
○血統主義
ルクセンブルクはドイツ、オーストリア、と並んで、2重国籍を拒む御三家として挙げられている。難民は例外。

7 国籍要件型と生地主義
●アメリカ
○外国人参政権
ごく一部の地方議会を除いて外国人は参政権を有しない。
○生地主義
国内で生まれた外国人は国籍を取得する。したがってその限りでは、2世、3世が参政権を求める深刻な問題は生じにくい。
帰化は比較的容易で、2重国籍は広く認められている。

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