SUKOYAKA日記

メモ帳的存在。岡山在住。

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禁色 三島由紀夫

金閣寺が思いのほかおもしろかったので、なんとなく同じ臭いがした「禁色」を選んでみた。ちなみに、恥ずかしながら、はじめ「キンショク」って読むと思っていた。

ストーリーを簡単に言うと、昔女性に苦労した醜い老作家が絶世の美少年を使って復讐するというもの。
その復讐は美少年の同性愛という特性を利用し、彼をして女を誘惑するだけして、結局愛さないという残酷な方法。

で、読むのに2週間ほどかかったのだけど「精神」やら「肉体」などの抽象的な言葉、特に老作家の思考において使われているのだが、を完全に理解することができなかった。それが原因で「もうええわ!」と投げ出しそうになったのだけれど、話の流れ自体はかなり惹き付けるものがあって最後まで読めた。

●印象にのこったところ、重要だなと思ったところ書いていく。
登場人物 檜俊輔 老作家。悠一を使って復讐を試みる。
     南悠一 美少年。ゲイ。康子の夫。
     康子  悠一の妻。
     鏑木夫人 悠一に恋をする。以前女局として俊輔をだます。今回は復讐をされる側。
     鏑木侯爵 悠一に恋をする。ゲイ。

p45くらいまでのまとめ
俊輔の苦悩理想
彼は自分が醜いために良い女と出会えなかった美しさがあればその苦悩がなかったのに。
彼は、醜いけれども、女を愛した。しかしそれゆえ女に騙された。 女を愛さなければその苦悩はなかったのに。
●そこに美しさと男性愛という俊輔の理想を2つ持ち合わせている悠一登場。ドーンっ。
そこで、俊輔は思いつく。よし、彼で復讐することで、彼を自分の作品にしよう。
【芸術とは理想の形を求めることだから、それを作品とすることは芸術だってことかな。】
p190 L14 俊輔の芸術論。これは三島の持論なのか?
芸術作品の感動が強く生を意識させるのは、それが死の感動だから。
抜き出すと
内的な存在としては生であり、客観的な存在としては死あるいは虚無にほかならぬこと、かかる存在の二重性は、芸術作品をして無限に自然の美へ近づかせるのある。
【自分なりの解釈では、内的な存在というのは、芸術作品を通して作者が伝えようとしていること。で、客観的な存在というのはその芸術作品が実際に表しているもの。これは相反しているように思うかもしれないが違う。
例をあげると、人間がちょうど殺されている絵というものが当てはまると思われる。この絵を見てまず客観的な感想は死の恐怖だろう。しかしそれの元をたどれば生への執着。ひいては生の素晴らしさになる。】
抜き出しを続ける
彼の確信によれば、芸術作品は自然同様に断じて「精神」を持っていてはならなかった。いはんや思想をや!精神の不在によって精神を証明し、思想の不在によって思想を証明し、生の不在によって生を証明する。

p251 名声は不特定多数に貸しを作るという変な作用。俊輔論
【名声のある人は人格者たるべしということ。
最近だとタイガーウッズは浮気騒動で大変なことになっている。日本で顕著だと思っているのだけれど、世界的にそうなのかな。】
それを檜は銀行に例えている。その部分を抜き出す。
無数の感情を期待される羽目になる。そのなかの一つの感情の持ち合わせでもなければ、人非人呼ばわりされる始末になる。不幸には同情、貧困には慈善、幸運には祝福、恋愛には理解、つまり私という感情の銀行には、世間に流通している無数の兌換紙幣の金準備がなければならんのだ。さうでないと銀行は信用を落とす。

●ところで「禁色」において火事はなんの意味をもつか
何度かでてくる。火事のシーン。消防車のサイレンも強調されている。これは何の意味を持つのか。
「禁色 火事」でネット検索してみるとCiniiでこれをテーマにした論文を見つけた。しかしアクセスできず、取り寄せもできない。読んでみたい。

p406悠一が康子の出産に立ち会う場面
たしか彼は自分の愛なしのセックスによって康子が産んだ子を「醜い」というか嫌悪の対象として見ていた。

ぬきだす
かくも苛烈な醜さを見つめることが、彼自身をみることと同じになった。
今までの悠一の存在の意識は、隈なく「見られて」いた。彼が自分が存在していると感じることは、畢竟、彼が見られていると感じることなのであった。見られることなしに確実に存在しているという、この新たな存在の意識は若者を酔わせた。つまり彼自身がみていたのである。
【「金閣寺」では見ることは生者の特権として描かれている。そのシーンは「私」の父親が死ぬところ。】

p407の最後の行
悠一の中の「男」は思った。
このように「男」と強調されている。見られているから見るという変化が彼の中に「男」を芽生えさせたってこと?
たぶんそうじゃないな・・

p523からp525L5まで 康子の変化。マジ怖い

康子は悠一の愛を待ち望んでいた。愛を与えることがほとんどなくても、夜いつも知らないところへ出かけていても、悠一が自分のために嘘をつきとおしてくれている間は愛を信じていれた。その愛を絶対的なものだと信じていた。
しかし、悠一は自分がゲイだということが明らかになるのを避けて、鏑木夫人との関係を明かし、ゲイでない嘘の証明をした。それは康子を傷つけないための悠一の狙いだった。しかしこれは悠一の愛が相対的なものという康子にとって残酷な証明となった。
【次からわからんのだが】その相対的な世界、困難な世界を処する方法は唯一何も感じないことである。そうして康子は何も感じなくなった。

p529 特に重要でないが、表現が気に入ったところ
誤って太陽を直視したものが、視線の移るいたるところに太陽の残像を見るように、河田は悠一の来るはずのない社長室のドアの音ないにも、電話の音にも自動車の窓から瞥見される町の行人の若い横顔にも、悠一の影を見た。その残像は虚構にすぎず、悠一と別れようという最初の思案がうかんだ時から、この空虚はいよいよひどくなった。

【最後 結末】
最後、悠一は結婚資金として借りた50万を調達し、俊輔に返しに行く。それをもって悠一は自由になり、晴れて「人間」になれるはずだった。
一度チェスを楽しみ、悠一が勝った。しかしその後50万を返す前に、俊輔は毒を飲んで自殺を遂げる。財産を悠一に残すという遺書とともに・・・。

【これは結局悠一の負けってことか。俊輔は自分の作品を完成させるため、自分の死をもって作品を完成させたってことか。この最終章「大団円」の前の第32章 「檜俊輔による「檜俊輔論」にかなり答がありそうなんだけれど、老作家の思想が難解で、9割がたわからなかった。】



【感想】
オモロー!
いつもだけど、オラ感想書く元気のこってねえだ・・・。
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