SUKOYAKA日記

メモ帳的存在。岡山在住。

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蒼氓の大地  高橋幸春

第13回講談社ノンフィクション賞受賞作品。

ブラジル移民について興味のある方ぜひ読んでみてください。史実としても、物語としても素晴らしい出来栄えです。



移民、野村峯夫一家が苦闘の末やがてテーラ・ローシャの大地に豊かなみのりをもたらしていく足跡を確かな筆力で書き上げた渾身の力作。???背表紙より



まとめ

●移民はある特定の地域に集中していた。その地域的特徴は以下である。



1、人口密度の高く、2農家1戸当たりの土地面積が少なく、3、集約的農業、4地主、小作の分化が進んでいた。



●移民の経緯

二代目ブラジル大使大越まではブラジル移民に対して否定的立場であった。その理由は

1、1890年代頃より、生産過剰からコーヒー暴落があったこと、2、そのためイタリア移民が窮乏を強いられていたこと



しかし3代目大使杉村は1905年のブラジル視察により意見を一変させる。

彼はこの視察時に、手厚い歓迎を受け、ブラジルは親日的だと思い、ブラジル移民を決意する。

その歓迎は日露戦争の勝利への尊敬と思い込んだが、実は単なるブラジル人のラテン気質であったようである。



水野龍はこれに影響され移民事業に手を出した。



彼は外務省への許可申請のため、10万円の資金工面に奔走したが、足りず移民の携行金を「船の中での所持は危険であるため保管する」と偽り、だまし取った。



●ブラジル到着後

慣れないコーヒー栽培は金にならず、農場備え付けの売店での、生活必需品のための出費で一年目はほとんどの家族が赤字だった。

黒字にするには、自ら食料を他に作るしかなかったが、そうしたとしても大した稼ぎにはならなっかった。

そして多くの移民は農場を抜け出し、肥沃な土地を目指した。


【中略】



●勝ち組・負け組(信念派・認識派)

戦後日本の敗戦を受け入れず、日本の勝利を信じる勝ち組が発生した。その数は日本人移民の九割にも上った。負け組に対するテロや、からかうブラジル人に対しての暴行・殺人により社会問題となった。



勝ち組が発生した原因

1、ラジオによる大本営放送は終戦までは、日本の優勢と虚実の放送をしていた。2、一世はポルトガル語を読めるものは少なく、情報の歪曲された日系新聞を読んでいた。3、「故郷に錦を飾る」といって移民し数十年も苦難に耐えたのに、日本が敗戦し、アメリカに占領されるとなれば、希望がなくなる。

好きなシーン
久次郎は投資に失敗し、長男を祖父に預け、ブラジルに移民した。彼は出発の日に南天の木の苗を一本植え、「この木に赤い実がなる頃にゃ、大儲けばして戻ってくるけんね。」と誓い旅立った。しかし誓いは果たせぬまま、時は過ぎ、終戦を迎えた。
彼は日本の勝利を信じる勝ち組であり、家族であっても日本の敗北を口にするものには耳も傾けなかった。そして故郷天草姫戸に置いてきた長男康則からの手紙さえ、負け組の工作だと言い、読まずに破り捨てていた。

そしてある日、また手紙を破り捨てようとすると、中から赤い実がこぼれ落ちた。久次郎は2つに破いた便箋をつなぎ合わせると、こう記されていた。
「この南天の実は、お父さん、あなたが姫戸を発たれる日、庭にお植えになったものです。」
この手紙の内容は身内しか知りえないものであり、手紙が康則からのものだと証明するものだった。これを期に、文通は開始されたが久次郎の日本勝利の信念は覆らなかった。

うーん、、、まとめて書くと微妙だね。

感想

面白かった。新聞や手紙が原文のままだったのでたまに飛ばし読みしたが、案外読みやすかった。
勝ち組の心理がこれまで理解できなかったけど、彼らの境遇を知れば、わからなくもない。
峯夫がかっこいい!

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