SUKOYAKA日記

メモ帳的存在。岡山在住。

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6,4 民主主義の確立

サルネイ政権の最後は物哀しかった。一連の経済政策と対外債務支払いの失敗でブラジルは深刻な不安定に陥っていた。サルネイ政権で肯定的な要素は民主主義的なルールが尊重されるようになったことと外交政策が挙げられるのみである。外交政策で最も重要な成果は1985年にアルゼンチン大統領と南米南部共同市場(メルコスル)創設を目指す交渉を始めたことである。メルコスルは1991年アルゼンチン、ブラジル、ウルグアイ、パラグアイが参加した。
1989年の大統領選挙には、アラゴアス州知事のフェルナンド・コーロル・デ・メロ、ジェトゥリオ・ヴァルガスの政治的後継者レオネル・プリゾラ(民主労働党)、労働者のルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァが立候補した。
コロールはグロボ・テレビの支援を受け、当選した。副大統領にはイタマール・フランコが当選した。
就任後彼は激烈な金融的措置を含む通貨安定化プランを発表した。5万クルザード・ノヴォ以上のあらゆる預金の引き出しは禁止された。この措置は物価と賃金の凍結、政府予算の削減、増税とともに実施されたが、成果を上げられず、1990年にはインフレが再燃した。
コーロル政権は冒険であると同時に、これまでの経済体制から決別した。市場開放と国営企業の民営化はその好例だった。貿易管理を一挙に廃止し自由化を行い、関税も減らされた。民営化も製鉄や石油なぢ重要な基幹部門にも及んだ。これには歓迎する声もあった。
ところが大統領選挙時の資金管理責任者が汚職に関与しことが発覚した。大統領に非難が集中し、大統領の弾劾を求める運動が活発化した。1992年大統領か辞任を決意し、上院は8年間の政治権利はく奪を決定した。
そして副大統領イタマール・フランコが大統領に就任した。からは感情の起伏の激しい民族主義志向の地方の政治家だった。
コロールプランはインフレを抑えれず、1993年には2000%にも上昇した。財務相フェルナンド・エンリケ・カルドーゾに圧力が高まったが、彼はショック療法を拒否した、彼はインフレを長期に抑制する方法は、強制手段ではなく、予告を受けた国民の自発的協力による経済安定化政策であると考えた。その集団が「価値表示単位」だった。「価値単位表示」は新しい通貨ではなかったが賃金の額面価格として通用した。賃金は直近4カ月の平均によって強制的に「価値表示単位」に換算された。一方、価格の「価値表示単位」への転換は政府の支援の下に当事者の交渉を通じて、徐々に、かつ自発的に進められた。「価値表示単位」には大きな賛同が得られ、早くも1994年7月1日をもって同日時点での換算比率でクルゼイロを新通貨に完全に交換するとの発表がなされた。これまで不満や係争を巻き起こした価格凍結や一方的な契約破棄なしに新通貨が誕生した。米ドルではなく、為替レートにリンクした安定的な価値単位との価格と賃金の巧みな交換が、インフレの急速な終息を導いた。1995年にはインフレ率は25%まで下がり、1997年以降はひとケタ台に抑えられた。レアル・プランは成功をおさめ政府の威信は回復した。また物価上昇率の大きな下落は、ある一定の時期、所得の増大及び格差の緩和を引き起こしたため、カルドーゾの人気も急激に上がった。
1994年大統領選挙ではルーラを破り、カルドーゾが当選する。1998年選挙でもルーラを破りカルドーゾが勝利するl。
カルドーゾ政権の肯定すべき良い面は、まず通貨の安定の確立とマクロ経済政策の信頼を保証する制度的な整備(財政責任法の制定や、通貨の番人・金融政策の監督者としての中央銀行の機能強化など)である。次に社会的分野、基礎教育課程[初等教育]と基本的な保健衛生の強化と改善である。第三に、、民主主義の確立への熱意であり、その最良の例が、次期政権への移行に際して示した協力的な姿勢に現れている。
経済政策に関しては恒常的にインフレは抑えられ、ブラジルの歴史的問題である無責任な公的支出を阻止する措置が講じられた。その意味で1999年の財政責任法は重要である。この法律は人件費から債務に至るまで、公共財政の主要項目に関する一連の規範と管理責任を定め、あらゆるレベルの政府と行政・立法・司法に付属する公的機関に適用された。
カルドーゾ政権時はGDP成長率は伸びず2?3%程度であった。それはメキシコ、アジア、ロシアの金融危機により、資金調達が難しくなり、高金利での借入を余儀なくされたから。
公的債務については対外債務と国内債務を区別しなければならない。
増大していた対外債務は1980年代に対外債務危機に陥ったラテンアメリカ諸国の救済措置である、いわゆる「ブレディ・プラン」(1989年)の一環として、1993年に結ばれた見直し協定によって解決の見通しがつけられた。この協定の締結からブラジルの対外債務の増大は抑えられた。他方国内の累積債務は激増し、1994年の1600億レアルから2002年の7000億レアルになった。主な要因は高金利と連邦政府による州と市郡の債務肩代わりだった。州と市郡はその代償として州立銀行の民営化や「骸骨」と呼ばれた公的債務未統計の既存債務を行うことを約束した。
カルドーゾ政権への批判の理由は債務ではなく、為替政策だった。レアル・プランの導入とともに激しいインフレを抑えるためにブラジル通貨の過大評価が維持された。レート切り下げが議論され徐々に修正するという考え方が優勢になった。
為替レートは1995年から1999年まで約40%下落した。こうした漸進的修正はブラジル経済を近代化する方針の中で国際収支を維持するためには十分と考えられていた。しかし期待は外れた。アジア危機以降、国際経済の特徴となった外国資金の枯渇、世界経済の景気後退、アジア諸国の通貨価値の下落により、ブラジルは漸進的な為替政策を放棄せざるを得なくなった。1999年ブラジル中央銀行が変動相場制への移行を発表したとき、民間の対外債務は年間輸出額の4倍に達し、国内公的債務は4年足らずでGDPの10%以上増大していた。変動相場制への移行は公的債務の増大をもたらた。公的債務の一部はレアル建てでもドル連動だからである。公的債務のGDP比は1994年の約30%から約50%へ上昇した。(この段落、だいたいわかりません。)
他方、漸進的為替政策は公共財政の透明度と効率を上げるための制度改革を前進させるのに十分な政治的支持を政府が獲得するのを助けた。このような構造的・制度的改革のおかげで、フェルナンド・エンリケ・カルドーゾの第二期政権で確立された変動相場制、責任ある財政、インフレ・ターゲットがブラジル史上前例がないくらいの国際収支の改善を促進させ目標とされた効果を達成する可能性を生み出んだ。
構造改革で特筆すべきは、通信、エネルギーなどインフラ部門の民営化。しかし電力部門の民営化は供給部門に限られ、発電は各地域の国営大企業が独占したままとなった。(電力はいろいろたいへんらしい。)
教育の分野。就学率の向上が、見られ非識字者率も減少した。しかし批判も存在する。私立大学の増設が行き過ぎ、それに伴い国公立大学の予算削減は進んだ。このため設備教員の給与は下がった。
極めて重要な問題である犯罪。要因の1つの極端の社会格差はブラジルの歴史的現象である。新たな要因としては高い失業率、麻薬と武器の密売の蔓延。そして、大衆メディアによって煽りたてられる消費(これだけ初めて聞いた。)が指摘される。
保健衛生の分野では、乳児死亡率の低下と平均寿命の伸びが挙げられる。エイズ撲滅も大きな成果をあげ、途上国における最も効果的なエイズ対策として高い国際評価を獲得した。
雇用の面では改善は見られず、失業とインフォーマルな雇用が増えた。
また社会的な支出と利払いが増大したため、公的債務増加を抑えるため、増税を行った。
外交面ではグローバル化した世界へ統合することに主眼が置かれた。30年間拒否し続けた「核不拡散条約」の批准が特筆される。他のラテンアメリカとの関係では、メルコスルを補強するため、チリ、ボリビアと自由貿易協定を結んだ。
内政面においては議会の支持を十分に得たことが、安定した政策につながった。
2002年には労働者党からルーラが当選した。彼が勝利した要因。提携相手を左翼に限っていた党の方針を破棄し、保守党の支持も得た。ルーラは国民全体にとって社会改革と雇用の増大を実現してくれる期待の星だった。急進的な表現をすて「平和と愛の」候補者であると自分を紹介した。また1000万人の雇用創出という実現困難なことも公約した。
ルーラの大統領就任は大きな反響を呼んだ。民主的な手続きをへて極貧層出身の人物が権力の座に就いた。また労働党は過半数ではないものの下院の第一党になった。カルドーゾからルーラへの政権移譲はブラジル政治においてもっとも評価できるものだった。カルドーゾ大統領は次の政権に自らの政権のすべての資料を公開し、ルーラの勝利を、自分が支持した候補が敗北したのにかかわらず、民主主義の勝利だと称えた。

なんが。
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