SUKOYAKA日記

メモ帳的存在。岡山在住。

Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

有罪率99,9%は「悪」か

 よく司法を批判するときに、「有罪率99%」という言葉が使われます。刑事裁判における無罪判決の少なさを揶揄する言葉です。

しかしどうもこの言葉は無批判に使われている傾向が感じられます。

「有罪率99%」という言葉は司法を批判するためには使えません。むしろ最大級の誉め言葉です。以前も少し書いたことがあるのですが、改めて書いてみようと思います。


まず前提となる知識の確認です。

刑事事件で逮捕されると、まず48時間を限度として身柄が拘束されます。

その後検察官に送致され、24時間以内に勾留請求がされてそれが認められると、今度は10日?20日間身柄を拘束されて取り調べられます。(起訴前勾留)

その後起訴されると、今度は確定判決が出るまで勾留されるので、2ヶ月から数年間身柄を拘束されることになります。*1

つまり、

逮捕=48時間(+勾留請求するまでに24時間。身柄拘束から勾留請求するまでは72時間以内)



送致



起訴前勾留=10?20日



起訴



起訴後勾留=2ヶ月?数年

ということです。


さて、「有罪率99%」が批判の対象となるということは、有罪率は低い方がいいということです。仮に日本の刑事裁判の有罪率50%=無罪率50%であるとしましょう。するとどうなるか?

無罪率50%ということは、起訴された人の半分が無罪だったということです。しかしこの人たちは判決が確定するまで2ヶ月?数年間身柄を拘束されることとなります。無罪なのに、ずいぶんと長い間拘束されてしまう*2のです。当然裁判所もその分仕事が増えます。

すなわち無罪率50%ということは、




・50%は裁く必要がなかった=それだけ裁判所に無駄な仕事をさせた

・50%は裁く必要がなかった=それだけ無駄に身柄を拘束された人がいた


ということです。


逆に有罪率99%=無罪率1%だと、起訴された人の1%しか無駄な長期間の身柄拘束を受けなかったということになります。



さあ、有罪率50%と有罪率99%とでは、どちらの方がいいでしょうか?



なぜ有罪率が99%なのか?


答えは簡単。検察官がほぼ確実に有罪になる被疑者しか起訴していないからです。



こんなデータがあります。



不起訴率・・・55.2%*3



これは検挙された人のうち、約半分しか起訴されていないということです。もし有罪率99%という言葉をもって裁判所を批判するなら、当然不起訴率も高くなければいけません。なぜなら検察と裁判所が無理矢理有罪にしているのならば、逮捕された人のうち有罪になる件数も多いはずだからです。

しかし実際に起訴されるのは約半分だけ。逆に言えばそれだけ誤認逮捕*4の数も多い(実際には不起訴処分が圧倒的に多い)ということですが、誤認逮捕されて不起訴処分になり、数日から数週間で自由の身になるのと、誤認逮捕されて起訴され、2ヶ月から数年身柄を拘束されて無罪判決を受けるのと、どちらがいいでしょうか?

もちろん、誤認逮捕はない方がいいに決まっています。しかし警察官は人間ですし、検察官ほどの法律知識はありませんから、間違えてしまうことはあります。そこで日本の検察は、その間違いをすぐに訂正できる能力を有しているのです。



以上から分かるように、無罪率が高ければ高いほど、その分無駄に取り扱う件数が増え、裁判所がパンクしてしまうし(今でも裁判官の数が足りないのに・・・)、身体の自由という重大な人権を侵害される人の数もその程度も増加してしまうということです。

有罪率99%という言葉は日本の検察の優秀さを示すものなのです。




最早プロパガンダのように流布している「有罪率99%」という言葉ですが、こんな意味があるんだよ、というお話でした。

もっとも以上の話はこういう風にも考えられる、という一例であって、結局裁判所はほとんど検察のいうとおりに認めてしまっているんじゃないか、という批判を完全にかわせるわけではありません。先日の痴漢の逆転無罪判決を見てもわかるように、ろくに物的証拠もないのに有罪にしてしまうということは、現実としてあります。

 
感想
いやーやっぱりそんな気がしてた。つまり有罪率とは起訴された事件の有罪率を表し、検挙されたものすべての有罪率ではないということだ。

院生と同じレベルに問題を把握できてる俺ってイケイケ
スポンサーサイト

Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

左サイドMenu

プロフィール

カーペンター

Author:カーペンター
FC2ブログへようこそ!

最新記事

カテゴリ展開メニュー

  • 未分類(6)
  • あいさつ(2)
  • 本(34)
  • 【ブラジル】(3)
  • 【ノンフィクション】(14)
  • 【フィクション】(8)
  • 新書(8)
  • 映画【アメリカ】(2)
  • ブラジルの歴史(47)
  • 思ったこと(30)
  • 映画【ブラジル】(2)
  • 専門書(2)
  • 漫画(7)
  • ニュース(6)
  • 映画【日本】(2)
  • 経済(20)
  • 経済学入門(19)
  • 日経指標(9)
  • 政治(7)
  • EU関連(1)
  • 外国人参政権(6)
  • 人間(1)
  • 労働問題(3)
  • 戦争・軍事(7)
  • 法律・裁判(3)
  • ちゃんと調べてないもの(4)
  • これって日本だけ!?(2)
  • 犯罪(1)
  • 在日外国人(5)
  • 日本人論(0)
  • 中東(22)
  • ゲーム(2)
  • 語源(40)
  • 医療(8)
  • たとえツッコミ(1)
  • やりたいこと(現実で)(0)
  • やりたいこと(ブログで)(0)
  • 詩(0)
  • マンガ あ行(1)
  • マンガ か行(2)
  • マンガ さ行(0)
  • マンガ た行(1)
  • マンガ な行(0)
  • マンガ は行(2)
  • マンガ ま行(1)
  • マンガ や行(0)
  • マンガ ら行(0)
  • マンガ わ行(0)
  • マンガ なんでも(3)
  • 文章技術(5)
  • メモ(1)
  • 音楽(2)
  • 近頃の若い者は!反論(1)
  • 作曲(10)
  • 社会学(1)
  • ブラジル経済(2)
  • ブラジル 社会問題(4)
  • FONÉTICAS de ポルトガル語(1)
  • ブラジル 政治(2)
  • 就活(1)
  • revista:mundo estranho(1)
  • ポルトガル語 科学(1)
  • ポルトガル語 その他(2)
  • ブラジル ビジネス(2)
  • トーク(2)
  • 旅行(4)
  • 宗教(1)
  • 映画(2)

右サイドメニュー

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。